Java: The Good Parts
- 作者: Jim Waldo,矢野勉,笹井崇司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2011/02/24
- メディア: 大型本
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来る2/23、オライリーよりJava: The Good Partsという訳本が発売されます。この本は、監訳のid:t_yanoさんからお話を頂き、査読に参加させて頂いた関係で、献本を頂きました。どうもありがとうございました。
オライリーからは「The Good Parts」シリーズの書籍が何冊か、既に出版済みです。例えばJavaScript: The Good Partsは、(ざっと眺めただけですが)jsにおけるコーディング指針を紹介しているような印象でした。こう書くと良いよ、こう書くと分かりづらくてよくないよ、という感じ。PHP: The Good Partsは目次しか見ていませんが、やはり同じ印象です。
しかし、Java: The Good Parts は毛色が違います。(他のシリーズとは違って)この本は、まさにJavaのGood Parts(良いところ)について書いてあるのです。
良いところ、というと非常に抽象的ですが、世界を「Java以前」と「Java以降」に分けた時、そこで起こったイノベーションを項目毎にまとめて解説したものです。(…と言ってしまうと、言い過ぎかもしれませんが。Javaだけによって起こったイノベーションではないものも、あると思います。)
目次はこんな感じ。
- 型システム
- 例外
- パッケージ
- ガベージコレクション
- Java仮想マシン
- Javadoc
- コレクション
- リモートメソッド呼び出し(RMI)とオブジェクトシリアライゼーション
- 並行処理
- 開発者のエコロジー
要するに「○○って、いいよね。Java以前には○○はメジャーじゃなかった。だから××な点で大変だったよね。でも、Javaには○○があるんだ。○○って、やっぱりいいよね!」(○○には↑の各項目を代入してください)っていう話です。
「Java以前はどうだったのか」、「なぜこのGood Partsを導入したのか」、「Java以後、どうなったのか」という視点で各項目を説明しています。監訳のid:t_yanoさんも言う通り、普段からJavaをゴリゴリ使いこなしているような人にとっては、言ってしまうと「当たり前」のことがひたすら書かれています。が、私も「うんうん、そうだよね」と同意しながら、時には「いやー、まぁ、意図はそうなんだろうけど、現実問題ねぇ…」と批判的に、楽しく読み進めることができました。
この本は「Java以外の言語をバリバリ使っているが、これからJavaをきっちり使えるようになりたい人」や、「Javaを使ってはいるが、今ひとつ使いこなせている気がしない人」に是非お勧めしたい本です。