ライセンスの思想

フリーソフトウェア思想

「社会的に有益であれば、人びとがどのような方法でソフトウェアを使うのも自由であるべきです。」(リチャード・ストールマン

この理屈は、以下の段階を経て導き出されている。

  • ソフトフトウェアは、それを複製したり改変したりするのが物質的なものよりはるかに簡単である。
  • デジタル情報の柔軟性そのものが著作権のような制度にはうまくそぐわない。
  • もしあなたが私の書いたプログラムを実行したり変更したりしても、あなたには直接影響しますが私には間接的にしか影響しない。
  • 結局社会には、自由意志による市民間の協力の精神を促進することが必要。-協力は著作権よりも大事。

このように「自由であるべき」だと思う理由って何だろう。

ってところでしょうか。

プロプライエタリ思想

では、ソースを公開して、自由に第三者に利用させたくない理由って何だろう。

  • 苦労して産み出した作品を、簡単に第三者にパクられたくない。
  • 「自分だけが自由に利用できる」というアドバンテージを活かしたい。
  • 裏でコソコソやっている「秘め事」を公開したくない。

という点だろうか。つまり、そのソフトウェアをフリーとすると、発明を行ったり、それを事業に結びつける意欲を失い、その結果、発明が社会的に活用されないという考え方。

特許の考え方

仮に、発明者に独占権を認めないとすると、発明が他人に模倣されてしまうために、発明者は発明を秘密にし、その結果、発明が社会的に活用されないことになる。このため、新規で有用な発明を世の中に提供した代償として、一定期間、その発明を排他的に独占する権利を付与するとする説。(公開代償説)

これが一番広く支持された説らしい。

所有権が認められるもの

所有権は主に「価値があるもの」に対して認められて来た。古くから「物質」についての所有権があった。次に「著作物」というものに所有権が認められる。

しかし近年、「物質」「著作物」に続いて、もう一つの「価値があるもの」がクローズアップされてきた。Webサービスであればコミュニティであろう。全く等価なサービス(著作物)が複数あったとしても、ユーザー数が多く、人が集まるサービスが一番の価値を持つ。これをもうちょっと一般化して、今後は「アテンション」(注目)と呼ぶことにする。

現在のところ、この「アテンション」に関して所有権は認められていないと思われる。