自分の研究にどこまでこだわれるのか

実は、転職を考えている。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071107/141921/

こんな記事を読んだので、自分の現状と照らし合わせてみる。

技術者であれば,自分が研究してきた成果を実用化に結びつけたいと願うことは,ごく自然である。

やっぱり私は技術者なんだなぁ。幸い、ソフトウェア技術というのは、自力で研究する余地のある分野だった。例えMS社の統合開発環境を購入しても、たかだか数万円。近年はOSSという文化が定着しつつあり、やる気さえあれば資料はどこにでもある。

これがもし、生化学(医学・薬学)分野の研究であれば、1マイクロリットル(爪の先程度)あたりの酵素試薬が数万円なんてのはザラで、その他クリーンベンチや培養器などの高額な実験器具。個人で買うアホは居ないような敷居の高い研究分野である。とてもじゃないけど、個人で出来る研究ではない。

その辺り、私が「ソフトウェア技術」に興味を持ったのは、ラッキーなんだろうな。

A氏は勤務中に画期的なアイデアを考えついたというのだ。A氏のアイデアを具現化するためには,アイデアの実証,そして特許化が必要である。(中略)そこでA氏は,最終的に退職することを選択。さらには,どこにも勤めずに,アイデアの具現化を自力で図る道を選んだ。

私とは逆の動き。今後、こういった事で悩む事も出てくるんだろうな。

イデアの実証については,協力してくれる機関を出身大学の協力で確保する目安がたった。(中略)特許に関してだが,未完成でもA氏のアイデア職務発明に近いと判断される可能性が非常に大きかった。しかし,A氏の名前を出して出願すれば,A氏の所属していた企業から訴えられる可能性がある。

羨ましい。出身大学はITと無縁(笑) でも、特許周りに関しては、現在の状況であれば全く問題がない。一長一短か。

それから約半年が過ぎ,A氏から連絡があった。現在の実証実験を止めて,ある外資系企業に転職するとのことだった。(中略)自腹で実証実験を継続する経済的負担,自己の生活の問題,また特許申請の問題,そして,たとえ特許を申請したとしてもその特許が売れる保証がないことなどを勘案したときに,断念という道を選んだことである。

…もの凄く、辛いよな。現状「継続する経済的負担」は軽いものの、「売れる保証がない」のは確か。

A氏のような人物は,A氏が専門としていた分野において新たに事業展開を考えている企業にとっては,受け入れることに非常にメリットがある。しかし,通常の転職においては,ある分野に思い入れが強いといった個人の意図が強く,それをすべて受け入れた形態で転職が進むことは稀である。その辺が筆者にはとても残念であるが現実であろう。

まぁ、難しいんだろうな。でも自分は、そんなレアケース転職を考えてみたいと思う。「すべて受け入れた形態」というのはかなり難しいとは思うけども、出来る限りこの形を目指してみたい。

最後に,今回の一連の挑戦にA氏がなぜ挑むことができたのかと言う質問があったとしたら,・・・・答えは,“彼は独身だった”,である。

「転職」も挑戦だよな。今のうち…、か。