仕事ハックのススメ

エンジニアは過酷な環境で仕事をしている、と良く言われる。

確かに、身勝手で無責任な経営者やマネージャ等*1が職権を濫用し、脱法を承知の上でエンジニアに過酷なタスクを強いている例もあるだろう。実際、そういう声はあちこちで聞かれる。そういった所は、確かに声を上げて改善を求めて行く事は重要な事だと思う。

これからも声を上げ続ける事は大事だと思うけど、このまま一方的に改善を求め続けても、改善は望み薄なんじゃないかな。

届いてないんだよね、この声が。聞いて欲しい人に。

では、エンジニア側からも歩み寄ってみる、というのはどうだろう。いや、別に「過酷な状況を半分諦めて我慢しろ」って言ってるんじゃなくてね。経営者は、生産性とか成果とかいうのを求めている。前向きに受け止めれば「期待されている」んだ。というわけで、経営者が期待する生産性に近づく、という意味での歩み寄り。

ただ漠然といつものように働いていれば、今まで通りの生産性しか上がらない。だから、サービス残業をして、表向き労働時間と実労働時間のギャップを利用して「誤魔化す」ことによって見かけ上の生産性を上げるしかない。

僕らはエンジニアだ。ならば、技術力を以てして、生産性を上げる事にチャレンジしてみよう。技術者が大好きなハックって奴ですよ。経営者が期待する成果を、時間内に達成する事を目標に、ハックする。

実際、このようなハックを行っているエンジニアは存在する。Seasar2だってMavenだってHudsonだってEclipseだってStrutsだって、日頃から使っているフレームワーク、ライブラリ、ツールはこういった「現場のニーズから産み出されたハックの産物」である可能性が高い*2

あったら良いな、を形にしよう。自分が技術者として興味ある分野に関してはそれなりの深い知識と「あったら良いな」があるはずだ。そして、興味があれば、プライベートな時間を使う事だってある程度は苦じゃないはずだ。短時間だって良い。積み重ねは大事だと思う。

こういったハックが積み重なる事によって、経営者が期待する成果を達成できる様になるんじゃないだろうか。以上のような理屈で、エンジニアと経営者がwin-winの関係を築くべく、今自分はJiemamyを作っている。

技術力で仕事をハックする。ただ、ハックに成功すれば、経営者はさらなる成果を要求して来るだろう。人間の欲は限りない。だが、そこで初めて「ちょっと一方的過ぎなんじゃねえの? 俺はプライベートの時間削ってハックしたんだぜ? あなた達の歩み寄りは無い訳?」と、経営者の無茶振りに対して自信を持って改善を求められるはずだ。

*1:以下、まとめて「経営者」と書く。

*2:詳しいルーツは知らないけど、そうなんじゃないかな、と思ってる。